神経多様性を活かすIT企業Auticonの事例
このブログ記事では、発達障害や神経多様性に関する最新の学術研究やビジネスの取り組みを紹介しています。具体的には、ASD(自閉スペクトラム症)向けのソーシャルスキル学習アプリの評価、ASDにおける脳の信号変動(BSV)の加齢による 変化、ADHD児の薬物治療とリスク行動の関係、神経多様性を活かすIT企業Auticonの事例、ASD児の親の生活バランスと満足度に関する研究など、科学的な知見に基づいた多様なテーマを扱っています。さらに、ZOZOと東京大学による「衣服の着心地」の数値化研究が、感覚過敏を持つ人々への応用の可能性を持つことにも触れています。これらの情報を通じて、発達障害のある人々が直面する課題や、より包括的な社会を実現するための取り組みについての理解を深めることができます。
ビジネス関連アップデート
ZOZO、「衣服の着心地」を数値化する研究を開始 東京大学大学院、クラスターと共同で
ZOZO NEXT、東京大学と共同で「衣服の着心地」の数値化研究を開始
ZOZOグループのZOZO NEXTは、東京大学大学院およびクラスターと共同で、「衣服の着心地」を計測・数値化する研究を開始しました。この研究では、ZOZO研究所と東京大学暦本研究室が開発した布の触感を確認できるシステムを活用し、機械学習を用いて衣服の触り心地をAIに認識させることを目指します。最終的には、ECサイトなどで直接試着せずに好みの着心地の服を検索・購入できる技術の実現を目 指しています。
感覚過敏への応用の可能性
この技術が発展すれば、感覚過敏を持つ人々にとって「肌に優しい衣服」を選びやすくなる可能性があります。特定の素材や質感が不快に感じる人にとって、触り心地のデータを元に最適な衣服を選べる仕組みが実現すれば、より快適な衣服選びが可能になるかもしれません。
学術研究関連アップデート
Evaluating Free Serious Game-Based Apps for Teaching Socio-Emotional Skills to Individuals on the Autism Spectrum: A Systematic Review of the Smartphone Markets
自閉スペクトラム症(ASD)のためのソーシャルスキル学習ゲームアプリの評価:スマホ市場の現状
この研究は、自閉スペクトラム症(ASD)の人々向けに開発された「ソーシャルスキルを学ぶためのゲーム アプリ」が、どの程度有用かを評価したものです。スマートフォンは、予測しやすく、視覚的に刺激が多く、音楽やゲーム機能も備えているため、ASDの人にとって使いやすいツールとされています。しかし、実際にどれだけ効果的なアプリがあるのかは明らかになっていませんでした。
研究の目的
- Android・iOS向けのASD向けゲームアプリを調査
- 選ばれたアプリを「シリアスゲーム評価ツール」で評価
- MARS(モバイルアプリ評価スケール)を使い、品質や内容を分析
- 今後のアプリ開発に向けた提言を行う
主な結果
✅ 市場には10種類の関連アプリが存在
✅ 多くのアプリは「ソーシャルスキル向上」を目的としているが、実際にはアドバイスや文章情報が中心で「ゲーム」としての要素が不足」
✅ シリアスゲームとしてのデザイン評価は「良い」と判断されるが、改善の余地あり
✅ MARS評価では、70%のアプリが「許容範囲」だったが、品質やパフォーマンスに課題がある