自閉症スペクトラム障害(ASD)の感覚過敏評価方法
この記事では、医療診断の拡大がもたらす課題、自閉症スペクトラム障害(ASD)の感覚過敏評価方法、連続する感情音声の処理特性、アラブ諸国におけるASD教育介入の研究、ASDと性別違和(GD)の関係、ADHD診断の新たな可能性としての眼底画像解析、そして読書における「選択の自由」 の影響についての最新の研究を紹介しています。これらの研究は、発達障害の理解と支援方法の改善に向けた重要な知見を提供しており、医療・教育・社会支援の分野での活用が期待されます。
社会関連アップデート
Essay | We Are Turning Too Many People Into Medical Patients
「診断されるほど、病気になる?」――医学的ラベルの拡大がもたらす新たなリスクとは?
近年、ADHDや自閉症、起立性調節障害(PoTS)、Ehlers-Danlos症候群(hEDS) などの診断が急増しています。しかし、この診断の拡大は本当に患者のためになっているのでしょうか?
イギリスの神経内科医スザンヌ・オサリバンが指摘するのは、医学的ラベルが広がることで「普通の体の特徴」まで病気とされ、結果的に症状が悪化するケースが増えている という問題です。
実際に、診断を受けることで「自分は病気だ」と認識しすぎてしまい、健康な行動を取れなくなる 人々 も少なくありません。例えば、PoTSの診断を受けた若者が「立ち上がると危険」と過度に警戒し、座る時間が増えた結果、本当に体の調整機能が低下し、症状が悪化する という悪循環に陥ることも。
また、医学的ラベルの増加によって、本来なら時間と共に改善するはずの症状まで「病気」と見なされ、不必要な医療介入を受けるケース も問題視されています。
「診断が増えるほど健康になれる」わけではない。
では、本当に必要な診断とそうでない診断の境界線はどこにあるのか?
この議論に興味がある方は、ぜひ本記事をチェックしてみてください。
学術研究関連アップデート
Integrating parent report, observed behavior, and physiological measures to identify biomarkers of sensory over-responsivity in autism - Journal of Neurodevelopmental Disorders
この研究は、自閉症スペクトラム障害(ASD)の子どもたちが**音や触覚などの刺激に過敏に反応する「感覚過敏(Sensory Over-Responsivity, SOR)」**について、親の報告、行動観察、心拍数(HR)などの生理的データを統合して評価する方法を探ったものです。特に、感覚過敏の評価方法を組み合わせることで、より正確に特徴を捉えられるかどうかを検証しました。
研究の背景
- 感覚過敏(SOR)とは?
- ASDの子どもによく見られ、音や触覚などの環境刺激に対して過剰に反応してしまう状態。
- 例:大きな音に驚きやすい、服のタグが気になって着られない など。
- 従来の問題点
- 親の報告(家庭での様子)と実験室での観察結果が一致しにくい。
- ASDの子どもは、テスト中に**反応を抑える(行動抑制)**ことがあり、実際の感覚過敏が正確に測定できない場合がある。
- *生理的反応(心拍数など)**を測定することで、より客観的な評価が可能かもしれない。
研究方法
- 対象者:
- 8〜17歳のASDの子ども83人と定型発達(TD)の子ども54人。
- 評価方法:
- 親の報告:
- 日常生活での感覚過敏の程度をアンケートで記入。
- 子どもの行動抑制の程度も評価。
- 行動観察:
- 実験室 で音や触覚の刺激を与え、子どもの反応を記録。
- 生理的測定(心拍数):
- *心電図(ECG)を使い、刺激に対する心拍数の変化(HR)**を測定。
- 親の報告:
研究結果
- ASDの子どもは、定型発達の子どもよりも心拍数が高くなる傾向
- ASDの子どもは、音や触覚の刺激に対して、定型発達の子どもよりも**心拍数が大きく変動(HR上昇)**する傾向があった。
- 親の報告と行動観察を組み合わせると、心拍数の変化をより正確に予測できる
- 親が「日常で感覚過敏が強い」と報告した子どもで、実験室での観察でも感覚過敏の反応が強かった場合、心拍数の変化が最も顕著だった。
- 行動抑制の少ないASDの子どもは、行動観察と心拍数の変化がより強く関連
- ASDの子どもでも、普段から「行動抑制が少ない(自然な反応を出しやすい)」場合、行動観察の結果と心拍数の変化がより明確に一致した。
研究の結論
- ASDの子どもは、感覚刺激に対する心拍数の変化が大きく、SORの生理的特徴がある可能性が高い。
- 親の報告・行動観察・心拍 数の測定を組み合わせることで、感覚過敏をより正確に評価できる。
- 特に、行動を抑える傾向の少ない子どもでは、行動観察の精度が高まり、生理的データともよく一致する。
- 心拍数の変化は、SORの「バイオマーカー(客観的な指標)」として活用できる可能性がある。
ポイント(簡単なまとめ)
✔ ASDの子どもは、音や触覚に対して心拍数の変化が大きい(感覚過敏の生理的特徴)
✔ 親の報告+行動観察+心拍数の測定を組み合わせると、より正確な評価が可能
✔ 行動抑制の少ない子どもでは、行動観察の結果が生理的データとよく一致
✔ 心拍数の変化は、感覚過敏の「バイオマーカー」として使える可能性がある
この研究は、ASDの感覚過敏をより客観的に評価するための新しいアプローチを提案しており、診断や支援の精度向上につながる可能性があることを示しています。
Altered processing of consecutive changeable emotional voices in individuals with autistic traits: behavioral and ERP studies
この研究は、自閉症スペクトラム特性(autistic traits)を持つ人々が、連続する感情的な音声をどのように処理するかを調べたものです。通常の社会的なやり取りでは、感情は一つずつではなく、次々と変化するため、連続する感情情報の処理が苦手だとコミュニケーションの難しさにつながる可能性があります。
研究の背景
- 自閉症スペクトラム障害(ASD)の人々は、感情の認識が難しいことがある。
- しかし、単独の感情的な刺激を使った過去の研究では、ASDの特性を持つ人が感情認識で大きな違いを示さない場合もあった。
- 実際の会話では、感情は連続して変化するため、「連続する感情の変化」を処理する能力が重要。
- 今回の研究では、「連続する感情的な声の変化」に着目し、自閉症特性を持つ人の反応を行動面と脳波(ERP)で調べた。
研究方法
2つの実験(Study 1, Study 2)を実施
- 参加者の自閉症特性を測定し、スコアの高い(High-AQ群)と低い(Low-AQ群)グループに分類。
- 感 情的な音声(喜び・怒り・中立)を使い、行動と脳の反応を調査。
Study 1:行動実験
- Task 1:単独の感情的な音声(S1)を聞いて、感情を判定。
- Task 2:連続する3つの音声(S1-S2-S3)を聞き、最後の音声(S3)の感情を判定。
Study 2:脳波(ERP)測定
- 3つの連続する音声(S1-S2-S3)を受動的に聞き、脳の電気的な活動を測定。
研究結果
- 単独の音声(S1)に対しては、両グループとも同じ反応を示した(違いなし)。
- 連続する感情音声の最後(S3)に対する反応が、High-AQ群(自閉症特性が高いグループ)で異なっていた:
- 行動面(Study 1):High-AQ群の方が、感情的な刺激(特にポジティブ・ネガティブ)に対する覚醒レベル(arousal)が高くなった。
- 脳波(Study 2):High-AQ群は、S3の音声に対してP2成分(感情的刺激に対する初期の脳反応)が大きかった。
研究の結論
- 自閉症特性を持つ人は、「単独の感情音声」ではなく、「連続する感情の変化」を処理する際に違いがある。
- 特に、連続する感情情報の最後の刺激(S3)に対する脳の反応が過敏になりやすい。
- これは、感情の変化に適応するのが難しく、情報を処理する負担が大きい可能性を示している。
ポイント(簡単なまとめ)
✔ 自閉症特性を持つ人は、連続する感情音声の処理が難しい可能性がある
✔ 特に、最後の感情刺激に対して、覚醒レベルが上がり、脳の反応(P2)が大きくなる
✔ 単独の感情音声では違いが見られなかったため、従来の研究手法では見えにくかった特性
✔ 感情の連続的な変化に適応する能力が、社会的コミュニケーションの難しさにつながる可能性がある
この研究は、自閉症特性を持つ人の「感情の変化を処理する難しさ」が、コミュニケーションの課題と関係しているかもしれないことを示しており、より実社会に即した感情認識トレーニングの必要性を示唆しています。
Investigating Educational Interventions to Teach Arab Children with Autism: A Systematic Review
この研究は、アラブ諸国における自閉症スペクトラム障害(ASD)のある子どもたちの教育的介入(教育プログラムや支援方法)に関する研究を体系的にまとめたレビュー です。1960年から2024年1月までに発表された研究を対象に、どのような教育的介入が試みられ、その効果がどのように評価されているかを分析しました。
研究の目的
- アラブ諸国で実施されたASD児向けの教育的介入の研究を整理し、効果や課題を分析すること。
- 教育プログラムが、社会性・コミュニケーション・日常生活スキル・学習能力の向上にどのように貢献しているかを明らかにする。
研究の方法
- 対象期間:1960年〜2024年1月
- 対象研究:アラブ諸国およびイギリスで実施された23の研究
- 対象地域:9つのアラブ諸国 + イギリス(ただし、約70%の研究 が4つのアラブ諸国で行われていた)
- 評価基準:
- 研究の質(強い・適切・弱い)を評価
- 教育介入の種類とその効果を分析
研究の結果
- 教育的介入の主な目的
- 社会性の向上(例:他者との関わり方を学ぶ)
- コミュニケーション能力の向上(例:言語や非言語のスキル)
- 日常生活スキルの向上(例:自分で食事や着替えができるようになる)
- 学習能力の向上(例:読み書きや数学のスキル)
- 研究の質
- 6.5%の研究が「弱い」と評価された
- 44.5%の研究は「強い」または「適切」と評価された(つまり、研究の質が一定以上であると判断)
- 全体的な傾向
- アラブ諸国におけるASDの教育的介入の研究は増えている。
- しかし、十分な証拠があるとは言えず、研究の質や数にまだ課題がある。
研究の結論
- アラブ諸国でのASD児向けの教育プログラムの研究は増加しているが、依然として証拠が不足している分野も多い。
- 特に、社会性や日常生活スキルを 向上させるための教育介入に関する十分な研究が必要。
- 研究の質を向上させ、より科学的な根拠に基づいた教育方法を確立することが今後の課題。
ポイント(簡単なまとめ)
✔ アラブ諸国におけるASD児の教育的介入の研究は増加しているが、まだ証拠が不足している分野がある。
✔ 教育的介入は、社会性・コミュニケーション・日常生活スキル・学習能力の向上を目的としている。
✔ 約半数の研究は「強い」または「適切」と評価されたが、一部の研究は質が低いと判断された。
✔ 今後は、より科学的根拠のある研究と、幅広い教育プログラムの検証が必要。
この研究は、アラブ諸国における自閉症児の教育支援の現状を整理し、今後の改善点を示す重要なレビュー となっています。
Obsessional thinking and autistic traits are each uniquely associated with greater traits of gender dysphoria in clinical and nonclinical adult samples - Molecular Autism
この研究は、自閉症スペクトラム特性(ASD)や強迫的な考え(Obsessional Thinking)が、性別違和(Gender Dysphoria, GD)の特性とどのように関連しているのか を調べたものです。特に、ASDとGDの関連が「強迫的な考え」によるものなのか、それとも別々に関連しているのか を検証しました。
研究の背景
- 過去の研究では、自閉症スペクトラム(ASD)と性別違和(GD)には関連があるとされている。
- 一部の研究では、この関連が 「自閉症の特徴のひとつである強いこだわり(Obsessional Thinking)」 によるものだと考えられていた。
- しかし、こだわりの傾向を正確に測定していない研究も多く、本当にこの要因がGDと関係しているのかは明確ではなかった。
研究の目的
- ASDの特性と**強迫的な考え(Obsessional Thinking)**の両方が、GDの特性とどのように関係しているのかを調べる。
- これを、臨床群(ASD、GD、OCDなどの診断がある人)と非臨床群(診断がない一般の人)で比較 する。
研究の方法
Study 1(非臨床群)
- 対象:145人の一般参加者
- 測定:
- 自閉症特性:Autism-Spectrum Quotient(AQ)
- 強迫的な考え:Obsessive-Compulsive Inventory-Revised(OCI-R)の「強迫的思考」項目
- 性別違和の特性:Gender-Identity/Gender-Dysphoria Questionnaire(GIDYQ)
Study 2(臨床群 + 非臨床群)
- 対象:226人(診断がある人 + 診断なしの一般人)
- GDの診断あり(49人)
- ASDの診断あり(65人)
- OCD(強迫性障害)の診断あり(46人)
- 診断なし(コントロール群)(66人)
- 測定方法:Study 1と同じ3つのテストを使用。
研究結果
- Study 1(非臨床群)
- *ASD特性(AQスコア)と強迫的な考え(OCI-Rスコア)**のどちらも、GD特性(GIDYQスコア)と関連があった。
- しかし、ASD特性と強迫的な考えの間には相互作用(影響を強め合う関係)はなかった。
- Study 2(臨床群 + 非臨床群)
- ASD特性が高い人と、強迫的な考えが強い人は、GD特性も高い傾向があった。
- GD診断群とASD診断群は、OCD群やコントロール群よりもGD特性が高かった。
- ただし、GD診断群の方がASD診断群よりもGD特性が顕著だった。
- 強迫的な考えは、ASD特性とは独立してGD特性と関連していた(つまり、GD特性の高さはASDのこだわり傾向だけでは説明できない)。
研究の結論
- ASDの特性と強迫的な考え(Obsessional Thinking)は、それぞれ独立してGDの特性と関連がある。
- GDの診断を受けた人は、ASDの診断を受けた人よりも、GDの特性がより強く見られた。
- 「ASDのこだわり傾向がGDの特性を引き起こす」という単純な説明ではなく、ASD特性そのものがGDと関連している可能性がある。
- 強迫的な考えもまた、ASDとは別に、GDと関係があることが示された。
研究の限界
- 参加者の診断(ASD, GD, OCD)は自己申告ベースだったため、医学的な診断テストで検証されていない。
- GDの特性は一時的に変動する可能性があるため、単一の測定では完全に評価できない。
ポイント(簡単なまとめ)
✔ ASD特性が高い人ほどGD特性も高い傾向がある
✔ 強迫的な考えが強い人もGD特性が高い傾向がある
✔ ASDのこだわり特性がGDの原因とは言えず、それぞれが独立して関連している
✔ GDの診断を受けた人は、ASDの診断を受けた人よりもGD特性が強かった
✔ ASD特性とGDの関係をより詳しく理解するには、さらに研究が必要
この研究は、ASD特性を持つ人がGD特性を示すことが多いという傾向を示すとともに、強迫的な考えもGDと独立して関連している ことを明らかにしました。これは、ASDとGDの関係を理解し、適切な支援を提供するための重要な知見 となります。
Retinal fundus imaging as biomarker for ADHD using machine learning for screening and visual attention stratification
この研究は、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の診断や評価に「眼の奥の写真(眼底画像)」を活用できるかどうかを調べたものです。特に、機械学習(AI)を用いて眼底画像を分析し、ADHDのスクリーニング(識別)や実行機能(EF)の特性を分類できるかを検証しました。
研究の背景
- ADHDの診断は複雑で、症状の幅も広いため、客観的なバイオマーカー(生物学的な指標)が求められている。
- 近年、眼底画像(網膜の写真)には脳の機能と関連する情報が含まれている可能性 があることが指摘されている。
- 機械学習(ML)を使えば、眼底画像からADHDを判別し、視覚的な注意力の問題を評価できるかもしれない。
研究の方法
- 対象者
- 2022年4月〜10月に韓国の2つの病院でADHDと診断された子ども・青年 323人を対象に調査。
- 年齢・性別を揃えた定型発達の子どもたちのデータも収集し、比較。
- データ分析
- 「AutoMorph」というアルゴリズムを使い、眼底画像の特徴を自動抽出。
- 4種類の機械学習モデルを活用し、ADHDの識別や実行機能(EF)を評価。
- Shapley additive explanation(SHAP)を使い、機械学習モデルの判断理由を解析。
研究の結果
- ADHDのスクリーニング(識別)は非常に高精度(AUROC 95.5%〜96.9%)
- 眼底画像のデータから、ADHDの有無をほぼ正確に判別できた。
- 実行機能(EF)の分類も可能だったが、分野によって精度が異なった
- 視覚的な注意機能の分類は高精度(AUROC > 85%)
- 聴覚的な注意機能の分類は精度が低かった
研究の結論
- 眼底画像は、ADHDの診断や評価に使える可能性が高い「非侵襲的(痛みを伴わない)バイオマーカー」になり得る。
- 特に「視覚的な注意力」の問題を分類するのに有効であることが示された。
- 今後、さらに大規模な研究を行い、実際の臨床現場での活用を検討する必要がある。
ポイント(簡単なまとめ)
✔ 眼底画像+機械学習で、ADHDを95%以上の高精度で識別可能!
✔ 視覚的な注意力の分類は高精度だが、聴覚的な注意力の評価は難しい。
✔ 痛みを伴わず、客観的なADHDの診断補助ツールとして期待できる。
✔ 今後、さらに実用化に向けた研究が必要。
この研究は、ADHDの客観的な診断法の開発につながる可能性を示した画期的なもの であり、将来的には病院の簡単な眼科検査でADHDのリスクを評価できるようになるかもしれません。
The effects of manipulating choice on children’s enjoyment and performance in a reading task
この研究は、子どもが読書の際に「自分で選ぶ」という選択肢を与えられると、理解力や楽しさが向上するのか を調べたものです。特に、「選択の自由」が読書への興味を高め、学習の効果を上げる可能性について検証しました。
研究の背景
- 子どもが自分で何かを選べると、学習への興味や意欲が高まることがある(これを「状況的興味(situational interest)」と呼ぶ)。
- 読書においても、「好きな本を選ぶ権利」を与えると、より熱心に取り組むのでは? という仮説がある。
- この研究では、「選択」が読書理解と楽しさにどのような影響を与えるかを実験で検証。
研究方法
- 対象:小学3年生 110人(男子61人、女子49人)
- 実験デザイン:
- 1回目:「この本を読みなさい」と本を指定される。
- 2回目:「この本とこの本、どちらを読む?」と選択できると感じさせる(実際にはどの子も同じ本を読む)。
- 読書理解度テスト(内容をどれだけ理解できたか)と楽しさの自己評価を両条件で比較。
研究結果
- 「選択の自由」があると、読解力のスコアが上昇(Cohen’s d = 0.52) → 選択によって、より集中して読むようになった可能性。
- 「選択の自由」があると、読書の楽しさが増した(Cohen’s d = 0.23) → 自分で決めたことで、読書への興味が高まった可能性。
- 男女や読書能力の違いによる影響はなし → どの子どもにも有効な方法である可能性が高い。
研究の結論
- 「選択の自由」は、読書の理解力と楽しさを向上させる 重要な要素である。
- 子どもが興味を持つきっかけ(状況的興味)を作ることが、学習のモチベーション向上に役立つ。
- 教育の現場では、学習の選択肢を増やすことが、子どもの意欲や理解を高める方法の一つになり得る。
ポイント(簡単なまとめ)
✔ 「好きな本を選べる」と感じると、読書理解力が向上する!
✔ 選択の自由があると、読書が楽しいと感じやすくなる!
✔ 性別や学力に関係なく、どの子どもにも効果がある。
✔ 教育の場で「選択肢を与えること」が、学習のモチベーションを高めるカギかもしれない!
この研究は、読書を楽しみながら理解力を伸ばすために、「選択の自由」を活用することが効果的である可能性を示しています。教育現場での応用が期待される重要な知見です。