TikTokでバズる#ADHDtestのほとんどは誤情報
このブログ記事では、2024年に発表された自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、発達障害などに関連する最新の学術研究を紹介しています。スペインでのASD有病率と関連要因を調査した研究や、神経発達障害の青年における実行機能が不安や抑うつ症状に与える影響を長期的に調査した研究、ADHDとCOVID-19パンデミック後の有害な児童期体験との関連性を分析した研究、TikTok上の#ADHDtestに関する誤情報の多さを指摘する研究など、さまざまなトピックが取り上げられています。また、自閉症アラートカードの使用に関する調査や、特別支援教育における支援技術(AT)に対する教師の態度に関する調査も含まれています。
学術研究関連アップデート
Autism Spectrum Disorder and Associated Factors in Children in Spain, 2017: Population-Based Cross-Sectional Study
この研究は、2017年のスペインにおける3~14歳の子どもたちにおける自閉症スペクトラム障害(ASD)の有病率と、それに関連する要因を調査したものです。調査データに基づき、ASDの有病率は0.59%(推定29,143人)とされ、主に男児が多く、心理士や言語療法士への訪問、同年代の子どもたちとの問題、反社会的行動、抗生物質やその他の薬の使用がASDと関連していることが確認されました。この結果は、ASDの特性を理解し、効果的な医療政策や支援プランの策定に役立つとされています。
Within-Person Effects of Executive Functioning on Anxiety and Depressive Symptoms in Youth with Neurodevelopmental Disorders: A Longitudinal Study
この研究は、神経発達障害のある青年における**実行機能(EF)**の変動が、不安や抑うつ症状に与える影響を長期的に調査したものです。対象はADHD、ASD、定型発達(TD)の合計173名の青年で、初回、2年後、10年後の3回にわたってEFと不安・抑うつ症状を評価しました。
結果として、全体的に抑うつ症状は年齢とともに増加した一方、不安症状は安定していました。また、EFの個人内での向上が2年後に不安症状を軽減し、認知の柔軟性の向上が抑うつ症状を減少させることがわかりました。
結論として、EFの改善は不安や抑うつ症状を軽減する可能性があるため、EFはこれらの症状を予防・軽減するための介入対象となり得るとされています。