複雑なスキルをステップに分割して教えていく方法【タスク分析実践編】【ABA・応用行動分析学】
今回は前回のタスク分析準備編に続く実践編です。前回の記事をまだ読まれていない場合にはそちらを先に読んでいただくと理解しやすいと思います。
はじめに
今回は前回のタスク分析準備編に続く実践編です。前回の記事をまだ読まれていない場合にはそちらを先に読んでいただくと理解しやすいと思います。
https://www.easpe.com/blog/article/18
前回は連鎖スキルの学習支援に関して3種類のアプローチをご紹介し、それぞれどのような準備が必要かみていきました。今回は具体的な実践方法をご紹介します。
前進的連鎖
前進的連鎖を使用する場合にはタスクの時系列に沿って、一つずつステップをこなしていきます。
①プロンプトの利用・対象行動の発生
対象とする連鎖タスクの一番最初のステップにおいて、準備段階で選択したプロンプトの種類、方針に則って児童が対象行動を実行できるようにアシストする。
②強化
対象ステップが出来た場合に、社会的強化子(褒める等)や有形の強化子を使用して強化する。
③残りのステップの提示
対象のステップが達成できた場合に、連鎖タスクの残りはどんなものがあるのか提示する
④習得判定
対象ステップの成功確率や頻度が、目標に達したと判断されたら、次のステップの学習を開始する。
後進的連鎖
後進的連鎖の場合には連鎖タスクの最後のステップから逆順に一つずつ学習していきます。
①タスク全体を通してアシストする
初回の学習は、全てのステップを完了できるようにプロンプトを使用して、連鎖タスクを実行できるようにします。
例えば連鎖タスクが「手を洗う」の場合には、水を出すところから最後に手を乾かすところまで全てをサポートし実行します。
②最後のステップから学習
準備段階で選択したプロンプトの種類、方針に則って児童が対象行動を実行できるようにアシストする。
②強化
対象ステップが出来た場合に、社会的強化子(褒める等)や有形の強化子を使用して強化する。
④次のステップの実施
最後のステップを習得できたら、その次からはもう一つ前のステップを含んだ形で学習します。(手を乾かす→水を止める、、、等)
全体タスク
前者の二つが順番に個々のタスクを学習しつなげていくのに対して、こちらは一度に全部のタスクを教えていきます。