このブログ記事では、発達障害や自閉症スペクトラム障害(ASD)に関連する最新の学術研究を紹介しています。まず、個別オペラントに対する習得基準の効果を調査し、学習速度の向上が見られた研究、そして複数のデータ形式を用いてASD診断の精度を高めるDeepASDという新しい深層学習手法を紹介しています。また、自閉症児と保護者を対象とした12か月間の健康促進プログラムの効果を検証し、運動能力や親の健康状態が改善したことを報告しています。最後に、自閉症の成人における反復的な思考や行動が、うつ病や不安などのメンタルヘルス問題にどのように関連しているかを調査した研究も紹介します。
学術研究関連アップデート
Applying “Mastery” Criteria to Sets and Individual Operants: A Replication with Preschoolers with Disabilities
この研究は、個別のオペラントに対して習得基準を適用することで、学習が早くなるかどうかを調査したものです。8人の障害を持つ幼児に、2つの条件で最大20個のタクト(物の名前を言う能力)を教えました。セット分析(SA)では、4つのタクトを一度に教え、4つのタクトすべてが1回のセッションで100%の正確さを達成したときに新しいタクトを導入しました。オペラント分析(OA)では、4つのタクトを一度に教え、1つのオペラントが100%の正確さを達成したときにそのオペラントを新しい刺激に置き換え、正確さが低いオペラントの学習を続けました。結果として、ほとんどの参加者がOA条件でより早く学習し、メンテナンス(保持)は両条件で同等でした。この研究は、個別のオペラントに対する習得基準の有効性を示しています。