【ABA・応用行動分析学】真似から始めるスキル獲得トレーニング【模倣準備編】
全ての学習は模倣から!というと少し言い過ぎですが、赤ちゃんや幼い子供がパパママの真似をしたり先生の真似をしたりして新しい行動をするというシーンを見た・経験したことがある人は多いのではないでしょうか?
はじめに
全ての学習は模倣から!というと少し言い過ぎですが、赤ちゃんや幼い子供がパパママの真似をしたり先生の真似をしたりして新しい行動をするというシーンを見た・経験したことがある人は多いのではないでしょうか?
療育という文脈においても児童が新しい行動を獲得する際に模倣訓練が用いられます。
今回の記事では自然に発生する模倣というよりも意図的に模倣させることでスキルや行動の獲得を目指す方法である模倣訓練に関してその概要と必要な準備をご紹介します。
模倣とは
応用行動分析学でいう模倣は、下記の要件を満たすものを模倣として定義してます。
- モデル(見本)は先行刺激
- 模倣行動はモデル提示の直後に起こる
- モデルと模倣行動の間には類似性がある
- モデルは模倣行動の制御変数
少し難しい書き方になってしまいましたが、すごく簡単にいうとお手本を見せたときに、即座にお手本通り実行されるということです。
模倣訓練では上記の定義に当てはめながらトレーニングを実施します。
模倣訓練のメリット
これまでもスキルや行動の獲得に関してさまざまな方法論をご紹介してきましたが、そもそも模倣訓練を行うメリットはなんでしょうか?
それは、行動のレパートリーの増加を促進することにあります。
というのは、発達障害を持つ児童の中には、模倣スキルを持たないが故に行動のレパートリーが最小限の状態になってしまっているケースがあります。
一番最初の例で示した通り、模倣スキルは意図的に訓練せずとも自然に獲得している場合があり、そのようなケースにおいては目に付く行動を模倣することで時間の経過とともに模倣可能な行動の数が増えていきます。
ですが、模倣しないケースでは行動のレパートリーは自然には増加しません。このような場合において模倣スキルを獲得することは以後の行動レパートリーの増加に大きく貢献します。
模倣訓練の実践に向けての準備
さて、ここからは実際に模倣訓練を実施するにあたり必要な調査や準備に関してステップに分けてご紹介します。