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ASDマウスモデルを利用した腸内環境と善玉菌に関する考察

· 3 min read
Tomohiro Hiratsuka
CEO of Easpe, Inc

本ブログ記事では、自閉症スペクトラム障害(ASD)のマウスモデルを使用して、腸内バリア機能とプロバイオティクス(善玉菌)との相互作用のメカニズムを明らかにする研究を紹介します。

学術研究関連アップデート

Clostridium butyricum regulates intestinal barrier function via trek1 to improve behavioral abnormalities in mice with autism spectrum disorder - Cell & Bioscience

この研究は、自閉症スペクトラム障害(ASD)のマウスモデルを使用して、腸内バリア機能とプロバイオティクス(善玉菌)との相互作用のメカニズムを明らかにすることを目的としています。ASDは神経発達障害であり、腸内機能の乱れや腸内細菌の不均衡(腸脳軸と呼ばれる)と関連しています。ASDのマウスモデル(BTBR T+ Itpr3tf/Jマウスおよびバルプロ酸(VPA)マウス)では、腸の透過性が増加し、腸のタイトジャンクションタンパク質(claudin1、claudin3、occludin)の発現が減少し、炎症性サイトカイン(IL-6、TNF-α、IFN-γ)のレベルが増加していることが確認されました。

C. butyricumというプロバイオティクスは、ヒストン脱アセチラーゼ1(HDAC1)の発現を減少させ、腸バリア機能を強化することで、ASDマウスの行動異常を改善する効果があることが示されました。また、C. butyricumはTrek1チャネルを通じて腸機能を調節し、ASDマウスの腸バリア機能を向上させることが確認されました。

結論として、この研究は腸内細菌が腸脳軸を介してASDに関与することを示す確固たる証拠を提供し、C. butyricumが腸の健康を改善し、ASDに関連する行動異常を緩和する可能性があることを示しています。