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精神障害の個別化医療を進展させるためのネットワークベースの人工知能アプローチ

· 34 min read
Tomohiro Hiratsuka

このブログ記事は、発達障害に関連する最新の研究や取り組みを紹介しています。具体的には、ADHDを持つ子供のEEG異常と発作リスクの研究、認定行動分析士による自閉症治療の推奨、プロバイオティクスが自閉症スペクトラム障害の子供に与える影響、建設的親コーチングの効果、ADHDを持つ個人のリスキーな意思決定の認知的相関、BRPF1遺伝子欠失による知的発達障害と顔面異形の調査、応用行動分析における思いやりのあるケア、メンタルヘルスケアの最も価値のある論文を表彰するサイケ賞、自閉症スペクトラム障害を持つ個人の性的健康ケアに対する認識、ADHD治療薬の特徴と違い、小児ADHDの診断と薬物利用の傾向、全国児童健康調査に基づくADHDの有病率と健康格差、自閉症特性を持つ個人の痛覚と非痛覚の感受性、子供時代のADHDと成人期の認知機能、異常胎位と自閉症スペクトラム障害の関連、夜型の概日リズムが学業成績や実行機能に与える影響、精神障害の個別化医療を進展させるためのネットワークベースの人工知能アプローチなど、多岐にわたるトピックを紹介します。

学術研究関連アップデート

Children with ADHD and EEG abnormalities at baseline assessment, risk of epileptic seizures and maintenance on methylphenidate three years later - Annals of General Psychiatry

この研究は、ADHDを持つ子供におけるEEG異常(EEG-ab)の発生率、てんかん発作(SZ)のリスク、メチルフェニデート(MPH)による治療の維持を3年間にわたり評価しました。6〜14歳のADHDの子供517人を対象に、ベースライン評価ではEEG-ab、ADHD不注意型(ADHD-I)、併存するてんかん、抗てんかん薬(AED)の使用、MPHの使用が含まれました。3年後のフォローアップでは、EEG-abの存在、MPHの維持、AEDの使用、EEGてんかん様異常(EEG-epi-ab)を持つ場合のSZリスクを評価しました。

結果、273人(52.8%)にEEG-abが確認されました。年齢、性別、ADHD-Iタイプ、初期のMPH使用において、EEG-abとEEG非異常群(EEG-non-ab)の間に統計的有意差はありませんでした。EEG-epi-abを持つ39人のケースでは、EEG非てんかん様異常(EEG-non-epi-ab)の発生率が高かったです。3年後のフォローアップでは、EEG-epi-abの有無にかかわらず、MPHの維持使用に統計的有意差は見られませんでした。併存するてんかんのないADHDケースや、てんかんと診断されたが発作を制御できたケースでは、新しい発作の発生はありませんでした。薬剤抵抗性てんかんを持つ3人の子供のみが発作を経験しましたが、発作の頻度は増加しませんでした。EEG-epi-abの消失率は、EEG-non-epi-abよりも高かったです(71.8%対33.3%)。

結論として、EEG異常の有無にかかわらず、MPHの使用パターン(初期使用、効果、維持)に違いは見られませんでした。また、併存するてんかんやEEG異常がある場合でも、MPHの使用が発作リスクを増加させることはありませんでした。

Response Allocation of Board-Certified Behavior Analysts toward Categories of Evidence-Based Practice

この研究は、認定行動分析士(BCBAs)が自閉症の個人に対して推奨する治療法について調査しました。BCBAsは科学的証拠に基づいた推奨を行う必要がありますが、時には証拠に基づかない介入を推奨してしまうこともあります。この研究では、自閉症の症状の重症度が行動分析士の推奨にどのような影響を与えるかを調べました。122人のBCBAsに対する調査で、証拠に基づく介入、発展途上の介入、証拠に基づかない介入の3つのカテゴリーに対するリソースの配分を収集しました。その結果、最大62%のBCBAsが証拠に基づかないか発展途上の実践にリソースを割り当てており、これらの配分は仮想クライアントの自閉症症状の重症度に影響されていることが示されました。症状の軽い個人と重度の個人に対するリソースの配分には、統計的に有意な差がありました。

Effect of probiotics on children with autism spectrum disorders: a meta-analysis - Italian Journal of Pediatrics

このメタアナリシスは、自閉症スペクトラム障害(ASD)の子供に対するプロバイオティクスの効果を評価しました。6つのランダム化比較試験(RCT)から302人の子供を対象にデータを収集し、腸内細菌叢の変化がASDの発展に関連することが示唆される一方、プロバイオティクスの補給がASDに保護効果を持つかどうかは議論の余地があるとされます。結果として、プロバイオティクスの摂取により消化器症状(6-GSI)が有意に改善された一方で、行動改善(ABC、CBCL)、社会的応答性(SRS)、発達指数(DQ)、全体的な改善(CGI-I)にはプラセボ群との差が見られませんでした。結論として、プロバイオティクスは消化器症状を改善するが、ASD自体の改善には効果がないことが示されました。

Constructional Parent Coaching: A Collaborative Approach to Improve the Lives of Parents of Children with Autism

この研究は、自閉症の子供を持つ親の生活改善を目指した「建設的親コーチング」プログラムについて調査しました。従来のストレス軽減方法はカウンセリングや行動療法、薬物療法を用いてストレスを直接排除しようとしますが、このプログラムでは、親が自分の生活を分析し、目標を設定し、それを達成するためのプログラムを実行するスキルを身につけることに焦点を当てています。プログラムに参加した3人の親に対し、メンターのサポートを段階的に減らしながら独立してこれらのステップを実行できるように指導しました。結果として、参加者が生活の一部として維持したいと望むイベントが、プログラム前よりも週の総イベントの中で大きな割合を占めるようになり、設定した目標に取り組む時間も増加しました。このプログラムは、問題に焦点を当てることなく、望むものを得るためのスキルを育成する有望なアプローチを提供しています。

Cognitive Correlates of Risky Decision-Making in Individuals with and without ADHD: A Meta-analysis

このメタ分析研究は、注意欠陥・多動性障害(ADHD)を持つ個人と通常発達(TD)の個人におけるリスキーな意思決定の認知的相関を調査しました。38の研究(ADHD 496名、TD 1493名)を体系的に分析した結果、ADHDを持つ個人が一貫してリスキーな意思決定をしやすい傾向が明らかになりました。これは注意、認知の柔軟性、抑制制御、時間認識、作業記憶との有意な相関によって裏付けられました。これらの認知機能が意思決定傾向を形成する上で重要であり、ADHDとTDのサブグループ内で微妙なパターンが観察されました。ADHDを持つ個人は、障害特有の認知的課題を反映する異なる相関パターンを示すことが多いことが強調されました。

Genetic analysis of BRPF1 exon deletion variant causing intellectual developmental disorder with dysmorphic facies and ptosis in a Chinese family - Egyptian Journal of Medical Human Genetics

この研究は、中国の家族で初めて記録されたBRPF1遺伝子のエクソン欠失変異が原因である知的発達障害と顔面異形および眼瞼下垂(IDDDFP)の分子病因と表現型を調査しました。10ヶ月の女児で発作と発達遅延が見られ、母親と姉妹も軽度の知的障害を持ち、類似の顔の特徴(眼瞼下垂と瞼裂狭小)を示しました。遺伝子検査で、エクソン2-14のヘテロ接合型欠失が確認されました。qPCRによる検証で、父親と長姉は野生型BRPF1であることが確認されました。46人のBRPF1欠損症例のレビューでは、主な臨床症状として知的障害、特有の顔の特徴、骨の変形、眼の異常が含まれていましたが、てんかんは稀でした。この研究は、BRPF1の遺伝的病原変異を持つ個人の遺伝型および表現型の範囲を広げ、知的障害や発作と関連する眼瞼下垂と瞼裂狭小がBRPF1変異の潜在的な兆候であることを示しています。

Compassionate Care, Cultural Humility, and Psychological Flexibility: Examining the Potential for Consilience in Applied Behavior Analysis

この論文は、応用行動分析(ABA)における思いやりのあるケア、文化的謙虚さ、心理的柔軟性の可能性を検討しています。Taylorら(2019)が提案した、思いやりのあるケアを提供するためにABA専門家がクライアントのケア提供者と協力的な関係を築くための研究、トレーニング、および実践を奨励する提案を受けて、この記事では関係フレーム理論(RFT)に基づく思いやりのあるケアの解釈をレビューし、文化的謙虚さと心理的柔軟性との類似性を議論します。特に、Acceptance and Commitment Training(ACT)が心理的柔軟性を含む自己管理スキルをサポートする証拠をもとに、ACTが思いやりのあるケア、文化的謙虚さ、および協力的な関係を促進する方法について検討します。ACTマトリックスを用いて、ACTがABA専門家のトレーニングと実践にどのように役立つかを具体化します。最後に、このアプローチの実践者、クライアント、およびABA全体への影響を論じ、今後の研究とABA組織における思いやりのあるケアの発展と持続可能性をサポートするためのリーダーシップの役割について提言します。

The 7th Annual Psyche Awards: Honoring the Most Valuable Papers in Mental Health Care

第7回サイケ賞(Psyche Awards)は、メンタルヘルスケアにおける最も価値のある論文を表彰するものです。精神療法の発展において、学術出版物は科学的手法と臨床実践を統合する重要な役割を果たしていますが、多くのメンタルヘルス専門家は学術研究か臨床実践のどちらかに専念しがちです。この賞は、前年度に発表された最も価値のある論文をハイライトするために設立されました。168のジャーナルから128の興味深く有用な論文が選ばれ、13のカテゴリーに分けられました。53のノミネートされた論文は、4人の審査員によって各トピック分野で最も価値のある論文を特定するためにレビューされました。

Perceptions of Individuals with Autism Spectrum Disorder on How Health Care Providers Address Sexual Health

この研究は、自閉症スペクトラム障害(ASD)を持つ成人が医療提供者からどのように性的健康についてのケアを受けているかについて調査しました。25人のASDを持つ成人と40人の非ASDの成人を対象に、8項目の自己報告調査を実施しました。調査では、医療訪問の頻度、性的健康について初めて話した年齢、および提供者との話し合いの頻度と内容を評価しました。

結果、性的健康に関する話題の議論の可能性はグループ間で大きな違いはありませんでしたが、性的被害についてはASDグループでの議論が少ないことが示されました(ASDグループ32% vs 非ASDグループ9%)。また、性的健康に関するカウンセリングを受けた割合は、非ASDグループの方が有意に高かったです(非ASDグループ81% vs ASDグループ52%)。両グループとも、性的健康情報を受け取る源は似ていましたが、ASDグループは親から情報を受け取る割合が高かったです(ASDグループ68% vs 非ASDグループ30%)。

結論として、ASDと非ASDグループは性的健康に関する議論の快適さや医療提供者へのアクセスに大きな違いはありませんでしたが、ASDグループは特に性的被害のスクリーニングに関してカウンセリングを受ける機会が少ないことが示唆されました。今後の研究では、ASDを持つ若者に対して必要な性的健康情報を提供するために、医療提供者がどのように障壁を克服できるかを検討する必要があります。

Are all ADHD medications created equal? Exploring the differences that enable evening dosing

この論文は、ADHD治療における様々な薬物の特性とその違いについて検討しています。30種類以上の刺激薬が利用可能であり、それぞれアンフェタミンまたはメチルフェニデートのバリエーションに基づいて作用しますが、製剤と投与システムの違いにより薬物動態と臨床プロファイルが異なります。これにより、患者のニーズに合わせた治療が可能になります。

従来、長時間作用型の刺激薬は朝に投与されるのが一般的でしたが、遅延放出および拡張放出型メチルフェニデート(DR/ER-MPH)の登場により、初めて夕方に服用して朝に効果が現れる長時間作用型の刺激薬が提供されるようになりました。このパラダイムシフトにより、臨床医の間で関心が高まり、実際の使用経験とデータに対する関心が続いています。

このレビューでは、利用可能な臨床データ、実際の証拠、新たな分析、および臨床経験を用いて、DR/ER-MPHの特性とその臨床的有用性を評価し、ADHD治療における他の薬物との関係でその使用に関する実践的なガイダンスを提供します。

この研究は、2016年から2019年にかけての小児注意欠陥多動性障害(ADHD)の診断および薬物利用の傾向を分析しました。ADHDは子供たちの間で最も一般的な精神障害の一つであり、世界的な有病率は7%から15%とされています。この分析では、米国の個人、家族、医療提供者、雇用者に関するデータを使用し、17歳以下の子供たちにおけるADHDの診断、人口統計情報、治療薬の処方傾向をまとめました。

結果として、ADHD診断を受けた子供の割合が1.6%、ADHD治療薬の処方を受けた子供の割合が4.7%増加しました。診断を受けた子供の多くは、男性で非ヒスパニック系であり、公的保険を利用していました。ADHD治療薬の処方に関しては、中央神経系刺激薬(特にメチルフェニデート製剤)が最も多く使用されており、次いで刺激薬/非刺激薬、刺激薬/抗うつ薬、非刺激薬のみの順でした。高所得層と低所得層におけるADHDの割合は4%増加しました。

結論として、米国における小児ADHDの診断は増加傾向にあり、特にメチルフェニデート製剤が最も多く処方されています。

ADHD Prevalence Rose, Yet Disparities Remain: Commentary on the 2022 National Survey of Children's Health

この論文は、Danielsonらの報告「2022年の米国の子供と青年におけるADHDの有病率:診断、重症度、併存障害、および治療」に対するコメントです。この報告は、2022年の全国児童健康調査(NSCH)のデータを用いて、ADHD診断と治療利用に関する最新の有病率を提供しています。この論文は、COVID-19パンデミック以降のADHD有病率に関する初めての報告の一つであり、ADHD診断と治療利用に関する重要なパターンを強調しています。

このコメントでは、COVID-19パンデミックの影響と、ADHDを持つ若者とその家族における健康格差に関する既存の文献を考慮しながら、これらの発見を文脈化しています。最後に、米国におけるADHD診断と治療の格差を減少させることを目的として、研究者、臨床医、および政策立案者に対する将来の取り組みのための推奨事項を示しています。

Frontiers | Intact painful sensation but enhanced non-painful sensation in individuals with autistic traits

この研究は、自閉症スペクトラム特性(autistic traits)を持つ個人の痛覚と非痛覚の感受性およびその認知神経メカニズムを調査しました。研究は二つの部分に分かれており、第一の研究では358人の参加者を対象にアンケートを用いて、自閉症特性と痛覚/非痛覚の感受性の関係を評価しました。結果、自閉症特性は非痛覚感受性と正の相関がある一方で、痛覚感受性とは関連がないことがわかりました。

第二の研究では、1,167人の参加者から自閉症特性を評価し、トップ10%とボトム10%のスコアを持つ33人を選び出し、高自閉症特性群(High-AQ)と低自閉症特性群(Low-AQ)に分け、イベント関連電位(ERP)技術を用いて痛覚および非痛覚刺激に対する認知神経反応を調査しました。結果として、高自閉症特性群は非痛覚刺激に対してより高い強度評価、より否定的な感情反応、およびより大きなN1振幅を示しましたが、痛覚刺激に対する反応には差が見られませんでした。

これらの結果は、自閉症特性を持つ個人が非痛覚感受性が強化されているが、痛覚感受性は通常通りであることを示唆しています。

Frontiers | Childhood ADHD and Subthreshold Symptoms Are Associated with Cognitive Functioning at Age 40 -a Cohort Study on Perinatal Birth Risks

この40年間の前向きコホート研究は、子供時代の注意欠陥多動性障害(ADHD)とその軽度の症状が成人期の認知機能に与える影響を調査しました。研究には、軽度の周産期リスクを持つ個人が含まれました。子供時代にADHDを持つグループ(cADHD, n = 39)を、軽度の注意や多動症状を持つグループ(cAP, n = 79)、同様の周産期リスクを持つがADHD症状を持たないグループ(n = 255)、およびADHD症状や周産期リスクを持たない対照グループ(n = 69)と比較しました。言語的推論、知覚スキル、記憶、作業記憶、注意、実行機能、速度の領域で複数の神経心理学的測定を行いました。全体的に、40歳時の認知機能においてグループ間のパフォーマンスはすべての領域で異なり、特に言語的推論、知覚スキル、記憶、速度の領域で効果サイズが大きかったです(.51 -.62)。cADHDグループのパフォーマンスは21の測定項目中13項目で他のグループより低く、cAPグループは5つの測定項目で対照グループより低い結果を示しました。cADHDグループでは23%が3つ以上の認知領域で欠損を示し、他のグループでは4%-6%でした。子供時代のADHDは成人期における複数の認知領域での機能障害と関連しており、軽度のADHD症状はより少ない認知障害と関連していることがわかりました。タスクの複雑さがADHDグループ内でのパフォーマンス低下と関連していました。この結果は、子供時代のADHDとその軽度症状に関連する認知結果についての希少な縦断的証拠を追加するものです。

Malpresentation and autism spectrum disorder in the study to explore early development

この研究は、出生時の胎児の姿勢(異常胎位)が自閉症スペクトラム障害(ASD)と関連しているかどうかを調査しました。異常胎位は出産を複雑にし、帝王切開に繋がることが多く、神経発達の遅れ、特にASDと関連している可能性があります。この研究では、異常胎位が既存の発達問題の初期兆候である可能性もあると仮定しました。

「Study to Explore Early Development(SEED)」のデータを用いて、ASDを持つ子供と人口対照群を比較しました。胎児の姿勢は医療記録、出生記録、および母親へのインタビューを通じて確認されました。異常胎位は、頭位以外の姿勢として定義し、さらに臀位とその他の異常胎位に分類しました。多変量ロジスティック回帰を用いて、異常胎位とASDの関連を推定しました。

研究には4047人のSEED参加者が含まれ、そのうちASDの子供は1873人、対照群は2174人でした。出生時にほとんどの乳児は頭位でしたが(92.9%)、異常胎位はASDのリスクが高いと関連していました(調整オッズ比1.31, 95%信頼区間1.02, 1.68)。この関連は臀位およびその他の異常胎位でも同様であり、妊娠週数による差異は顕著ではありませんでした。

結論として、異常胎位はASDとわずかに関連しており、異常胎位で生まれた子供の神経発達を早期に監視することで、ASDの早期発見と支援提供の機会を増やすことができる可能性があります。

Journal of Child Psychology and Psychiatry | ACAMH Pediatric Journal | Wiley Online Library

この研究は、夜型の概日リズム(eveningness)が、ADHDの有無にかかわらず、思春期の青年の学業成績、実行機能、および注意力の低下と関連していることを調査しました。302人の13.17歳の青年(52%がADHD、44.7%が女性、81.8%が白人)を対象に、彼らの概日リズムの好み、平日の睡眠時間、睡眠の質を報告してもらいました。さらに、学業動機(内発的、外発的、無動機)や標準化された読み書きの成績テスト、実行機能(行動、感情、認知の調整)の日常生活における評価、ADHDの不注意症状について青年自身、親、教師から評価を収集しました。

結果、睡眠時間や睡眠の質、性別、家庭収入、思春期の発達、薬物使用などの共変量を超えて、夜型の傾向が強いことはほとんどの評価項目で学業成績、実行機能、および注意力の低下と独自に関連していました。睡眠の質は一部の結果に対して独自に関連していましたが、睡眠時間は回帰分析でどの結果とも有意に関連していませんでした。ADHDの状態はこの影響を緩和しませんでした。

結論として、夜型の概日リズムは思春期の学業成績、実行機能、および注意力の低下と密接に関連しており、睡眠時間や睡眠の質よりも重要であることが示されました。特にADHDの臨床サンプルにおいて、これらの問題を軽減するためには概日リズムの調整が重要であることが示唆されます。

Network‐based artificial intelligence approaches for advancing personalized psychiatry

この論文では、精神障害の個別化医療を進展させるためのネットワークベースの人工知能(AI)アプローチについて検討しています。精神障害は遺伝的および環境的リスク要因の相互作用により生じる複雑な生物学的基盤を持っています。AIアプローチを用いて、異なるデータタイプ間および内部の特徴を統合することで、原因解明と個別化医療の進展を目指す取り組みが進められています。

ネットワーク科学は、細胞レベルのメカニズムから脳機能、表現型ネットワークまで、異なる生物学的組織レベル間の複雑な関係を探索するための概念的枠組みを提供します。こうしたネットワーク情報をAIアプローチの一部として効果的に活用することで、病気の生物学のより深い理解、患者の異質性の解明、および臨床的に有用な予測指標の特定が期待されます。

本論文では、精神医学およびその他の分野におけるAIの一部としてネットワーク情報が使用された事例を紹介し、精神医学研究、AI開発、ネットワーク科学の統合が個別化精神医学にどのように役立つかについての今後の展望を示しています。