ADHD児の宿題支援デジタルプログラム
このブログ記事では、発達障害や知的障害に関連する最新の学術研究を紹介しています。具体的には、自閉症児の親の受容と理解を測る新しいスケールの開発(PAUACS)、自閉症スペクトラム障害(ASD)とオンラインデーティングの現状、ADHD児の宿題支援デジタルプログラム、柔道が幼児の神経発達に与える影響、自発的な「心の理論」の測定法によるASD診断の可能性、そして重度知的障害者を支える家族と医療専門家の協働に関するニーズと課題など、多岐にわたるテーマが取り上げられています。
学術研究関連アップデート
Parental Acceptance and Understanding of Autistic Children (PAUACS) – an Instrument Development Study
この研究では、自閉症の子どもを持つ親の受容と理解を評価するためのスケール「Parental Acceptance and Understanding of Autistic Children Scale(PAUACS)」を開発し、その信頼性と妥当性を検証しました。自閉症の子どもを持つ158名の親(非自閉症親74名、自閉症親42名、自身の診断について検討中の親42名、平均年齢42.69歳)が、PAUACSのプロトタイプ版と既存の関連尺度(親の感受性、ニューロダイバーシティを肯定する態度、自閉症特性、メンタルヘルス、子どもの適応、家族体験)を含むオンライン調査に参加しました。一部の参加者(97名、61.4%)は2週間後にPAUACSを再度回答し、再テスト信頼性を評価しました。
最終的な30項目のPAUACSは、内的整合性(α=0.89)および再テスト信頼性(クラス内相関=0.92)において優れた結果を示しました。探索的因子分析により、以下の4つの明確な因子構造が確認されました:
- Understanding(理解)(α=0.86)
- Innate(生来性)(α=0.74)
- Acceptance(受容)(α=0.82)
- Expectations(期待)(α=0.73)
PAUACSは構成概念妥当性が良好であり、収束的妥当性と弁別的妥当性の初期的な証拠も得られました。本研究は、PAUACSが親の自閉症の子どもに対する受容と理解を評価する信頼性と妥当性のあるツールであることを示しています。このスケールは、自閉症を持つ家族への支援をさらに深めるための貴重な手段となる可能性があります。
Autism and Online Dating: A Scoping Review
このレビュー論文は、自閉症スペクトラム障害(ASD)とオンラインデーティングに関する既存の文献を整理し、その特徴や課題を明らかにすることを目的としています。2014年から2023年に発表された8件の研究を対象に、複数のデータベースから情報を収集しました。
主な結果として、オンラインデーティングは自閉症の人々にとって、対面での出会いに代わる便利でコントロールされた環境を提供し、特に社会的な不安を軽減する点で利点があると示されています。しかし、同時に社会的規範への理解や安全性への懸念といった課題も確認されました。これらの研究は小規模で便宜的に選ばれたサンプルが多く、結果の一般化には限界があると指摘されています。
さらに、以下のような研究の ギャップが挙げられています:
- 異なる性的指向や性自認への配慮。
- 自閉症女性の自己表現に関する理解の不足。
- 自閉症の人々がオンラインデーティングアプリに期待する具体的な目標やニーズ。
- 自閉症特化型デーティングプラットフォームの役割。
本研究は、オンラインデーティングが自閉症の人々に与える影響や可能性についてさらなる研究の必要性を強調し、包括的で多様性を考慮した取り組みが重要であることを示唆しています。
Contributions of Attachment and Cognitive Functioning on ADHD Symptoms in Children
この研究は、親子間の愛着(アタッチメント)と認知機能が注意欠陥・多動性障害(ADHD)の症状に与える影響を同時に検討することを目的としています。対象は大学病院から45名のADHD児と通常の学校から44名の定型発達児で、愛着は自己報告式質問票(ASS-Fr)およびナラティブ面接法(CAME)を用いて評価され、認知機能は客観的および主観的指標を用いて測定されました。
結果として、両親への愛着の安心感と無秩序な愛着がADHD症状と有意に関連していることが示されました。ただし、この関連は、外在化症状