このブログ記事では、文部科学省が発表した不登校児数の過去最多記録や、ディスレクシアの学習者に適した教育手法に関する最新研究について紹介しています。特にディスレクシアの学習者においては、タイピングよりも音声応答によるリトリーバルプラクティス(記憶検索練習)が効果的であることが示され、タイピングによる成績低下が記憶力の問題ではなく、処理速度の遅延に起因することが明らかになったと報告されています。これらの研究は、ディスレクシアの学習支援方法を神経多様性に適応させる重要性を示唆しています。
教育関連アップデート
不登校児30万人を突破 11年連続で過去最多(文科省)|福祉新聞
文部科学省の調査により不登校児の数が30万人を超えたことが発覚しました。これは過去最多で、11年に渡り不登校児の数が増え続けています。
学術研究関連アップデート
Modality Matters: Evidence for the Benefits of Speech‐Based Adaptive Retrieval Practice in Learners with Dyslexia
この研究は、情報を思い出す「リトリーバルプラクティス」(記憶検索練習)が学習に有効であることに焦点を当て、特にディスレクシア(読字障害)の学習者における最適な条件を検討しています。118名の参加者を対象に、タイピングと音声での応答条件を用いた適応型リトリーバルプラクティスを行った結果、ディスレクシアの学習者はタイピング条件で通常の学習者よりも成績が低かったものの、音声での応答ではその差が消えることがわかりました。数学モデルにより、このタイピング特有の劣位は記憶の問題ではなく、処理の遅延が主な原因であることが示されました。この結果は、ディスレクシアの学習メカニズムの理解を深め、教育技術を神経多様性に合わせて最適化するのに役立つとしています。