このブログ記事では、自閉症スペクトラムの家族における精神障害の有病率や、異食症(pica)の行動評価と治療、発達性言語障害(DLD)を持つ幼児の課題持続性、そしてトークン経済の実践に関するエビデンスベースのガイドラインについての最新の研究成果を紹介しています。
学術研究関連アップデート
Prevalence of mental disorders among family members of individuals on the autism spectrum: systematic review and meta-analysis
この論文は、自閉症スペクトラムの子供を持つ家族における精神障害の有病率を調査した体系的レビューとメタ分析の結果を報告しています。19の研究を対象にした分析では、自閉症スペクトラムの人の母親における感情障害の有病率が13%であることが示されました。また、自閉症スペクトラムの家族(第一度親族)は、神経発達が通常の家族に比べて感情障害を抱えるリスクが約2.17倍高いことが確認されました。この研究は、自閉症スペクトラムの子供を持つ家族に対して、精神障害の評価と治療が重要であり、それが家族全体のケ アの最適化に貢献することを強調しています。
Behavioral assessment and treatment of pica: a brief report
この論文は、知的および発達障害を持つ個人に比較的多く見られる、生命を脅かす行動である異食症(pica)の行動評価と治療についての報告です。異食症は、一連の反応チェーンとして捉えることができ、異食アイテムが次の反応(例:アイテムを拾う)の弁別刺激として機能し、その反応が最終的な消費行動の弁別刺激として機能します。この反応チェーンを妨害し、異食アイテムの弁別特性を変える介入が臨床的に有効である可能性があります。研究では、反応の中断とリダイレクト(RIRD)を、代替行動の差別強化(DRA)と組み合わせた介入が効果的であることを示しています。本研究では、入院治療を受けている異食症を持つ少年を対象にこの手法を評価し、DRAとRIRDの組み合わせが効果的な治療法であることを追加で確認しました。