【ABA】DTTってどんな方法?短い時間で沢山トレーニング可能なDTTについて解説【DTT実践編】
前回はスキル習得トレーニングの一つであるDTTとは?というところから、実践する上でどのような事前準備・タスクが必要なのかまで紹介させていただきました。今回は具体的な実践ステップに関して紹介させていただきます。
はじめに
前回はスキル習得トレーニングの一つであるDTTとは?というところから、実践する上でどのような事前準備・タスクが必要なのかまで紹介させていただきました。今回は具体的な実践ステップに関して紹介させていただきます。
まだ前回の記事を読まれていない方は下記から読んでいただくとわかりやすいかと思います。
DTTを始める前に
前回の準備編でDTTを行う際には児童が集中できる環境で実施することが望ましいとご紹介しましたが、支援環境によっては集中できる場所への移動を伴う場合があります。
自閉症をはじめとした発達障害を持つ児童の中には、移動教室のような場面の切り替えに難しさを感じる児童も多くいるため、実際にDTTを開始するにあたって、相応しい環境に移動することを伴う場合には移動戦略を用いるとスムーズに移動が可能です。
移動戦略のうちごく簡単なものとしては次に何が起きるのか事前に児童が理解できる形で伝えるという方法です。
伝える方法自体は児童の特性等に応じて準備する必要がありますが、視覚的にイラストなどを使用して次の活動や移動先を示したり、チャイムなど音声を利用して「あと5分でリラックスルームに移動だよ」などと伝えることもできます。
基本的には児童が理解できればどのような合図でも可能ですが、とレーニング以外の場面のことを考えると日常的に使用できる合図であることが望ましいため、なるべく身近にある刺激を合図として使用することが望ましいです。
時計の針の位置を合図にすれば、セラピー以外の場所でも時計を合図として認識できます。
DTT実践
ここからは実際に集中できる環境においてDTTを実践するステップに関して順番にご紹介します。
1.注意の獲得
児童が着席したり、DTTを実施するのにふさわしい状態になった後でまずやることは児童の注意を引きつけることです。前回の準備編の動画の中でセラピストが、使用する積み木を児童の前でゆらゆらさせたり、またくすぐったりしていた行動がこの注意の引き付けに当たります。
**何か始める際、何かしようする際に、そのものに関して注意や関心が向いていることがDTTの前提になります。**またこの注意の引き付けに関して強化子を使用することは可能か?という点ですが、どうしても必要な場合や強化子を使用することが適切だと考えられる場合には使用することができます 。基本的には呼びかけや、使用するものの提示などで注意を獲得することができるでしょう。
2.弁別刺激の提供
児童の注意を引きつけたら早速DTTの開始です。まずは計画段階で決めたステップ(行動)を引き起こす刺激(弁別刺激)を提示をします。
目標スキル:挨拶 ステップ:こんにちはと言える 刺激:「こんにちは」と声を掛ける(音声刺激) DTT刺激提示の例
3.フィードバック
刺激を提示し、児童の反応を観察したら即座にフィードバックします。反応が正反応、誤反応、無反応の3種類のいずれに該当するのか判断し、それぞれの反応に基づいて結果(フィードバック)を提供します。
正反応の場合 あらかじめ決めた強化子を用いて強化する
誤反応・無反応の場合 ①行動を修正して再度、同じ刺激を提示してトライアルを再開する。 ②プロンプトを使用して正反応を促し、正反応の場合強化する。 ③次のトライアルに移行し、プロンプトレベルを下げ、正反応の場合強化する。
プロンプトを平行して利用している場合には、こちらの記事も是非ご参照ください。