自閉症スペクトラム関連年表
1943年 アメリカの児童精神科医カナーによる「情緒的接触の自閉的障害」の発表
1940年代
1943年 アメリカの児童精神科医カナーによる「情緒的接触の自閉的障害」の発表
1944年 オーストリアの小児科医アスペルガーによる幼児期の自閉精神病質という論文発表
**1947年 ** 教育基本法 学校教育法 児童福祉法 職業安定法
**1948年 ** 盲・聾学校 就学義務化
1950年代
**1952年 ** 鷲見たえ子が日本精神神経学会総会で自閉症の第一症例の発表 カナー型自閉症に関して牧田清志が紹介 アスペルガーの自閉生精神病質は平井信義によって紹介 →両者は性質が異なるが、教育界では同一視された
1958年 職業訓練法制定
1960年代
1960年 身体障害者雇用促進法
1965年 自閉症と言われる子の担任の会設立
1967年 自閉症としての初の実態調査が文部省によって実施。障害の種類として言語障害、情緒障害を加え、自閉症は情緒障害に含まれるものとして位置づけられた 東京都公立学校情緒障害児教育研究 会の設立
1968年 東京都公立学校情緒障害児教育研究会から全国情緒障害教育研究会へ変更 (当時の自閉症への考え方として、自閉症児は潜在的には高い能力を有するので治療教育によって自閉性さえ改善されれば普通の子になるという当時の親や一部の専門家による自閉症観が存在)実際には知的障害を伴うことも多く通級方式では困難なことから固定方式の特殊学級や知的障害養護学校で教育を受けるケースが増加 マイケル・ラターによる言語・認知障害説
1969年 自閉症研究会義 牧田による自閉的特徴を主症状とする患児を包括し自閉児と呼称することが提案 特殊教育の基本的な施策のあり方について(報告)が刊行。この中では、「視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱、情緒障害などの特殊学級については、対象とする児童生徒の数が少なく地域的に点在していることから、 その実情をじゅうぶんに把握し一定地域の児童生徒を対象とする特殊学級の適正な設置を図ること。 また、これらの特殊学級は、特殊教育諸学校または医療機関と提携のもとに運営されるようにすること」とされていた。 自閉症児のための情緒障害特殊学級設立(東京都杉並区堀之内学級)情緒障害と命名したが対象は自閉症的傾向にある児童であった為、語句の定義にや理解に混乱が生じた。
1970年代
1972 年 特殊学級10年計画の策定(昭和56年度までに9830人を対象にした計画)
1974年 乳幼児健診1974 年大津方式の導入
1976年 イギリスのウィングが早期小児自閉症のなかでアスペルガー症候群という用語でアスペルガーの自閉性精神病質の概念を紹介
1977年 文部省の全国調査で情緒障害特殊学級としての記載が開始 INFANTILE AUTISM: A GENETIC STUDY OF 21 TWIN PAIRS(Susan Folstein, Michael Rutter)自閉症に関する遺伝的要因の示唆
1979年 養護学校就学義務化
1980年代
1980年 知的障害児施設の種類として新たに医療型自閉症児施設及び福祉型自閉症児施設を位置付け
**1981年 ** ウィングがアスペルガー症候群の論文を発表
1985年 Does the autistic child have a "theory of mind"?(simon baron-cohen, alan m leslie, uta frith)バロンコーヘンによる心の理論の、自閉症児の障害との関係に関する研究
1987年 障害者の雇用の促進等に関する法律(知的障害者の算出、職業リハビリテーションの明記)*障害者雇用促進法 UCLAロヴァース博士による「Behavioral Treatment and Normal Educational and Intellectual Functioning in Young Autistic Children 」の発表。自閉症時に対する行動療法としての応用行動分析学の台頭
1990年代
1990年 ICD-10
1993年 通級による指導の制度化 都道府県等を主体とした強度行動障害者特別処遇事業の創設
1994年 児童の権利条約批准 DSM-4
2000年代
2000年 児童虐待防止法
**2002年 **自閉症・発達障害児者支援センター運営事業の開始(広汎性発達障害者を対象とした地域支援の拠点の整備の推進) 就学制度改正
**2003年 **ICD-10(2003年版)
2004年 超党派の議員立法により発達障害者支援法が成立
**2006年 **LD、ADHDも通級の対象(合わせて自閉症を明記) 障害者雇用促進法改正(精神障害者を実雇用率に算出)
**2007年 **特別支援教育の本格的実施(特殊教育から特別支援教育へ) 障害者権利条約署名(インクルーシブ教育システムの理念、合理的配慮など) 世界自閉症啓発デーの認定
**2009年 **特別支援学級の対象に自閉症を明記
2010年代
**2010年 **発達障害が障害者に含まれるものであることを障害者自立支援法、児童福祉法において明確化
**2011年 **障害者基本法改正(障害者権利条約への対応、十分な教育が受けられるようにするため可能な限りともに教育を受けられるよう配慮。本人、保 護者の意向を可能な限り尊重)
**2012年 **中教審報告初中分科会報告(共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育、システムの構築のための特別支援教育の推進、就学相談・就学決定のあり方、合理的配慮、多様な学びの場の整備、教職員の専門性向上など) 児童福祉法一部改正 放課後等デイサービス・保育所等訪問支援・児童発達支援事業
**2013年 **障害者差別解消法制定(合理的配慮提供の法的義務など) 障害者総合支援法施行 就学制度改正(認定就学制度廃止、総合的判断(本人保護者の意向を可能な限り尊重)) ICD-10(2013年版) DSM-5
**2014年 **障害者権利条約批准
**2016年 **発達障害者支援法の一部を改正する法律の成立
**2018年 **ICD-11
リファレンス
20世紀の自閉症教育の展開と歴史 日本自閉症スペクトラム学会のこれまで 行政的支援に関する基本的知識 自閉症・発達障害支援センターとその周辺の施策 ー 「発達リハビリテーション」の見地から ー 特別支援教育に関する基礎資料 Strategies for Establishing Evidence-Based Practice Behavioral Research on Autism in Japan 子どもの権利条約における「療育の権利」の位置づけ 療育の変遷と今後の方向性 児童の権利条約
雇用政策と障害者(1) 〜障害者雇用状況報告の変遷〜 WHO国際分類統計の歴史とICD-11の国内適用に向けて 障害者総合支援法 平成24年 児童福祉法一部改正の概要 指摘された差異と、その波紋 自閉症スペクトラム障害概念の変遷を辿る 自閉症児の認知発達と振り遊びについて ーー 「心の理論メカニズム」と象徴機能との関連性 ーー