問題行動を減らし適切なコミュニケーションを増やす方法【FCT実践編】
前回のFCT準備編では、FCTの概要および、FCTの計画段階ですべきことに関してご紹介しました。
はじめに
前回のFCT準備編では、FCTの概要および、FCTの計画段階ですべきことに 関してご紹介しました。
FCTとは問題行動の機能を維持したまま代替行動に変換する方法だということは前回の記事でご紹介した通りです。
本記事では計画を実際に実施していく上で、どのように代替行動を発生させていくかや、問題行動ではなく代替行動を定着させていくかなどの点に関して、ご紹介していきます。
Step1プロンプトの使用
計画段階で決めた代替行動を使用するように教えていく際にまず必要なのはプロンプトです。
プロンプトとは簡単にいうと行動の補助のようなものです。例えば代替行動として「他人の使用しているおもちゃで遊びたい時に、貸してと言う」ことを学習させたいときに、最初から自分一人で「貸して」と言うことが難しいケースがあります。この場合に、「なんて言うの?」や実際に貸してと言っておもちゃを借りる様子を見せるなどして、児童本人がどのような行動をすればいいのか理解し行動しやすくするための補助がプロンプトです。
FCTで代替行動を教えていくときには、一番程度の強いプロンプトから使用し始めて、だんだんとプロンプトのレベルを下げる**最大最小プロンプト(Most-to-least prompting hierarchy)**という考え方で使用するプロンプトを決めていきます。
プロンプトの強さは上記に 示したように、音声など非接触のものの方が弱く、体に触れたり、体を操作したり接触の度合いが高まるほど強くなります。
最大最小プロンプトを使用する際には、このプロンプトがあれば確実に児童は対象の行動を実行することができるレベルを最大として定め、そこから段階的に使用するプロンプトのレベルを下げていきます。
例 たかし君はお手本を(レベル4モデリング)見せられれば確実に代替行動をすることができる。 レベル4を最大レベルとして次はジェスチャー、音声、自立と段階的にレベルを下げていく。
レベル4から始めたからと言って必ず、レベル3、2、1と下げていかなければいけないということは無く、児童によっては特定のレベルをスキップすることも可能です。
また最終的に音声で「休憩したい」と言うことを目標にしている場合に、行動の形態に注目するとプロンプトも音声であることを基本に考えがちです。が、児童によっては音声のお手本だけでは代替行動をすることができないという場合ももちろん存在します。
そのような場合には最初から音声であることに拘りすぎず、もう一つ段階を挟みコミュニケーションカードなど、音声以外の意思表示方法から始めると言う柔軟な対応も可能です。
Step1チェックリスト
- プロンプトを使用して